バッテリーの直列・並列接続完全ガイド|電圧・容量・配線方法
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複数のバッテリーを組み合わせる場合、接続方法によって変わるのは配線の形だけではありません。直列接続と並列接続では、バッテリーバンク全体の電圧、Ah容量、電流、充電器の選定、ケーブルの条件、さらには接続できる機器まで変わります。
キャンピングカー、車中泊用電源、オフグリッド太陽光発電、船舶、ゴルフカート、非常用電源などでは特に重要です。例えば同じ12V 100Ahバッテリーを2台使用しても、接続方法によって24V 100Ahにも、12V 200Ahにもできます。

バッテリーの直列接続と並列接続とは?
複数のバッテリーを組み合わせる基本的な方法が、直列接続と並列接続です。直列ではシステム電圧を上げ、並列では電圧を維持したままAh容量を増やします。さらに両方を組み合わせる直並列接続もあります。
バッテリーを直列接続した場合
直列接続では、1台目のプラス端子を次のバッテリーのマイナス端子へ接続します。バッテリーを追加するたびに電圧が加算されますが、Ah容量は1台分のままです。
12V 100Ah × 2台を直列接続 = 24V 100Ah
合計電圧 = V₁ + V₂ + V₃ + ...
合計Ah容量 = 同一仕様バッテリー1台分のAh
24Vや48Vなど、より高いDC電圧を必要とするインバーターやモーターなどを使用するときに直列接続が利用されます。
バッテリーを並列接続した場合
並列接続では、すべてのプラス端子同士、すべてのマイナス端子同士を接続します。バッテリーバンクの電圧は1台分と同じですが、Ah容量が加算されます。
12V 100Ah × 2台を並列接続 = 12V 200Ah
バッテリーバンク電圧 = 1台分の公称電圧
合計Ah容量 = Ah₁ + Ah₂ + Ah₃ + ...
すでに12V機器を使用しており、電圧を変えずに使用時間を延ばしたい場合に向いています。
直列接続と並列接続の違い
| 項目 | 直列接続 | 並列接続 |
|---|---|---|
| 電圧 | 各バッテリーの電圧を加算 | 1台分の公称電圧を維持 |
| Ah容量 | 1台分のまま | 各バッテリーのAhを加算 |
| 合計公称エネルギー | 全バッテリー分のWhを合算 | 全バッテリー分のWhを合算 |
| 主な目的 | システム電圧を上げる | 容量・使用時間を増やす |
| 充電器 | 直列後の合計電圧に対応する必要あり | バッテリーバンクの公称電圧に対応 |
| 基本配線 | プラスからマイナスへ接続 | プラス同士、マイナス同士を接続 |
覚え方はシンプルです。直列は電圧を増やし、並列はAh容量を増やします。
電圧・Ah・Wh・電流はどう変化する?
電圧とAh容量
12V 100Ahバッテリーを4台使用する例で考えてみましょう。
4台を直列:
12V + 12V + 12V + 12V = 48V
完成後 = 48V 100Ah
4台を並列:
100Ah + 100Ah + 100Ah + 100Ah = 400Ah
完成後 = 12V 400Ah
エネルギー量はWhで比較する
異なる電圧のバッテリーバンクを比較するときは、AhだけでなくWhを見ると分かりやすくなります。
エネルギー(Wh)= 電圧(V)× 容量(Ah)
12.8V 100Ah LiFePO4バッテリー1台 = 1,280Wh
2台直列:25.6V × 100Ah = 2,560Wh
2台並列:12.8V × 200Ah = 2,560Wh
つまり接続方法によってVとAhの組み合わせは変化しますが、同じ2台のバッテリーが持つ合計公称エネルギーは変わりません。
同じ出力なら高電圧ほど電流を抑えられる
同じ電力を供給する場合、システム電圧を高くすると必要電流は小さくなります。大出力インバーターなどでは、この違いがケーブルや電圧降下を考える上で重要です。
電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)
理想的な2,400W負荷の場合:
- 12V:2,400W ÷ 12V = 200A
- 24V:2,400W ÷ 24V = 100A
- 48V:2,400W ÷ 48V = 50A
実際の電流はインバーター効率や実電圧などによって変わります。使用するインバーター、DC-DCコンバーター、モーターコントローラー、充電器などが最終的なバッテリー電圧に対応していることを必ず確認してください。
直並列接続はどのように構成する?
直並列接続は、電圧とAh容量の両方を増やしたい場合に使います。同じ構成の直列ストリングを複数作り、それらを並列接続します。
同一構成のバッテリーストリングを作る
並列に接続する各ストリングでは、バッテリーの台数、モデル、容量、接続方法を揃えることが基本です。直列部分で電圧を決め、並列ストリングの数によって合計Ah容量が決まります。
2S2P・4S2Pとは?
- 2S2P:2台直列のストリングを2系統並列に接続。合計4台。
- 4S2P:4台直列のストリングを2系統並列に接続。合計8台。
- 4S4P:4台直列のストリングを4系統並列に接続。合計16台。
4S2Pの計算例
12.8V 100Ah LiFePO4バッテリーを8台使用する4S2P構成を例にします。
1つの4Sストリング:
4 × 12.8V = 51.2V
容量 = 100Ah
2ストリングを並列:
100Ah × 2 = 200Ah
完成後 = 51.2V 200Ah
公称エネルギー = 51.2V × 200Ah = 10,240Wh
バッテリーを接続する前に確認すること
同一システムで使用可能なバッテリーを選ぶ
できるだけ同じ化学系、モデル、公称電圧、Ah容量、使用年数、状態のバッテリーを使用してください。必ずメーカーのユーザーガイドと複数台接続条件を確認します。
並列接続前に電圧とSOCを確認する
並列接続ではバッテリー同士が同じプラス・マイナスの電気的ポイントにつながります。そのため電圧差が大きい状態で接続すると、電圧の高い側から低い側へ大きな均等化電流が流れる可能性があります。
最大直列数・並列数を確認する
LiFePO4バッテリーのBMSにはモデルごとの接続制限があります。最大直列数、最大並列数、直並列対応の有無、連続充放電電流、充電条件などを確認してください。
ケーブルと保護機器を正しく選ぶ
ケーブルは電流、配線長、許容電圧降下、設置環境、接続機器の仕様を基準に選定します。ヒューズ、ブレーカー、遮断器も実際のシステム構成に合わせて選んでください。
BMSだけに頼らない
BMSはモデルに応じて過充電、過放電、過電流、短絡、高温・低温などから内部セルを保護します。ただし、適切な外部ヒューズ、ケーブルサイズ、配線設計、電流バランスの代わりにはなりません。
接続前チェックリスト
- バッテリー互換性:同じバッテリーバンクで使用可能か確認。
- 接続条件:メーカー指定の直列数・並列数を守る。
- 電圧・SOC:並列接続前に必要な条件まで揃える。
- 極性:プラス・マイナスを必ず再確認。
- ケーブル:想定電流に対応した導体・端子を使用。
- 保護:適切なヒューズ、ブレーカー、遮断器を設置。
- 充電器:完成後の電圧とバッテリー化学系に対応。
- 機器:インバーターなどが最終電圧に対応しているか確認。
- 切り離し:組み立て中は充電器と負荷を切り離す。
バッテリーを直列・並列接続する方法
直列接続の手順
1台目のプラスを2台目のマイナスへ接続し、追加する場合も同じパターンを続けます。両端に残ったマイナス端子とプラス端子がバッテリーバンクの出力になります。
- 充電器と負荷を切り離す。
- バッテリーが直列接続に対応していることを確認する。
- Battery 1のプラスをBattery 2のマイナスへ接続する。
- 必要な台数まで同じ接続を繰り返す。
- 両端の空いている端子をバッテリーバンク出力として使用する。
- 機器を再接続する前に総電圧を測定する。
並列接続の手順
各バッテリーのプラスを共通のプラス側へ、マイナスを共通のマイナス側へ接続します。台数が多い場合は、各バッテリーからバスバーなどへの電気抵抗ができるだけ均等になるように設計すると電流を分担しやすくなります。
- 充電器と負荷を切り離す。
- 電圧とSOCを確認する。
- 各バッテリーのプラス側を接続する。
- 各バッテリーのマイナス側を接続する。
- 極性、端子締付、配線、保護機器を確認する。
- システムを再接続する前に総電圧を測定する。
12Vバッテリーシステムの使用時間を延ばしたい場合、必ずしも多数のバッテリーを並列追加する必要はありません。大容量バッテリー1台にすることで、バッテリー間ケーブルや接続ポイントを減らせる場合があります。Vatrer 12V 600Ah自己加熱LiFePO4バッテリーは、7.68kWhの使用可能エネルギー、300A BMS、自己加熱機能を備え、大容量12Vシステムをシンプルに構成したい場合の選択肢になります。
直並列接続の手順
まず同一構成の直列ストリングを作り、それぞれの電圧を確認します。その後、条件が揃ったストリングのプラス側同士、マイナス側同士を並列接続します。
- 最初の直列ストリングを作る。
- 追加ストリングも同じ構成で作る。
- 各ストリングの電圧を測定する。
- 条件の揃ったストリングを並列接続する。
- 負荷や充電器を接続する前に最終電圧を測定する。
直列・並列バッテリーはどう充電する?
直列バッテリーの充電
直列接続した場合は、バッテリーバンク全体の電圧に対応する充電器が必要です。例えば12Vバッテリー2台を直列にすると24Vクラスとなるため、対応する24Vバッテリーシステム向けの充電器を使用します。
48Vゴルフカートなどで複数の鉛バッテリーを直列にする代わりに、48Vクラスのリチウムバッテリー1台へ変更すると接続ポイントを減らせる場合があります。Vatrer 48V 105Ah LiFePO4ゴルフカートバッテリーには対応充電器とLCDディスプレイが付属し、200A BMSにより最大10.24kWの連続出力に対応します。
並列バッテリーの充電
並列接続後も充電電圧は1台分と同じです。ただし合計Ah容量が増えるため、充電器の電流が同じなら満充電までの時間は一般的に長くなります。
充電時間を短縮するために充電電流を増やす場合は、バッテリー、BMS、ケーブル、端子、保護機器のすべてがその電流に対応している必要があります。
直並列バッテリーの充電
完成したバッテリーバンクの最終電圧、バッテリー化学系、許容充電電流に合わせて充電します。並列にした各ストリングの条件を揃え、設置後やバッテリー交換後は必要に応じて個別バッテリーやストリングを確認してください。
直列・並列・直並列のどれを選ぶ?
最初に必要なシステム電圧を決める
インバーター、モーター、コントローラー、DC機器などが必要とする電圧を確認します。これがバッテリーバンク設計の最初の条件です。
次に必要なエネルギー量を計算する
必要エネルギー(Wh)= 負荷(W)× 使用時間(h)
500Wの負荷を4時間使用する場合:
500W × 4h = 2,000Wh
実際の容量選定では、インバーター損失、温度、予備容量、使用可能な放電範囲なども考慮します。
代表的な接続例
| 目的 | バッテリー | 構成 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 24V化 | 12V 100Ah × 2 | 2S | 24V 100Ah |
| 48V化 | 12V 100Ah × 4 | 4S | 48V 100Ah |
| 12Vの容量を2倍 | 12V 100Ah × 2 | 2P | 12V 200Ah |
| 12Vの容量を4倍 | 12V 100Ah × 4 | 4P | 12V 400Ah |
| 電圧と容量を増加 | 12V 100Ah × 4 | 2S2P | 24V 200Ah |
| 48Vで容量も増加 | 12V 100Ah × 8 | 4S2P | 48V 200Ah |
48Vクラスの住宅用バックアップ電源やオフグリッドシステムでは、12Vバッテリーを長い直列ストリングにする代わりに、51.2Vのバッテリーを使用する方法もあります。Vatrer 51.2V 100Ahサーバーラックバッテリーは1台あたり5.12kWhで、CAN/RS485通信、Bluetoothモニタリングに対応し、ラック方式で容量を拡張できます。
最後に覚えておきたいポイント
バッテリーバンクを設計するときは、まず機器が必要とする電圧を決め、次に必要なWhを計算し、そのうえで想定電流に対応できるケーブル、保護機器、充電器、BMS仕様を確認します。
直列・並列・直並列は、その目標を実現するための接続方法です。システムが大規模になるほど、複数の小容量バッテリーを組み合わせるだけでなく、大容量バッテリーや必要電圧を最初から備えたバッテリーを使って接続ポイントを減らす方法も検討するとよいでしょう。
1件のコメント
Mit Bestem Dank und Freundlichen Grüßen
